まずは「田舎暮らしなど望んではいけない(1)、(2)、(3)、(4)」を読んでね。
15年程前に、当時日本最大であった環境団体主催のセミナーへ参加しました。
演者が、OHPでスライドを観せながら説明をしていく、という形をとっていました。
そのなかで、ニューヨークの高層ビル街を上から撮影した写真を示しながら、
・ ここに、命に必要なものは存在しますか?
・ 何一つない
・ それどころか、欠かせないものを犠牲にして
・ 自分たち自身で、生活を不安に陥れ
・ さらなる経済成長により、防衛しようとしている
と、批判していました。
批判の本質は、高層ビルでないことくらいは理解できます。
僕も環境マニアなので、彼らの環境における主張は、今でも得心します。(現在の僕は、現実次元においては、資本主義が世界を救うくらいに考えているけども)
しかし、真意がどうであれ、正しい認知や情報を歪めています。
「田舎暮らしを望んではいけない(3)」でも記載したように、
・ ニューヨークの高層ビル街は、ごく一部であり
・ 少し外へ向かって歩けば、自然豊かな公園が広がって
います。
高層化を成したからこそ、可能となった環境保護なのです。
残念ながら、セミナー参加者の多くは、高層ビル街を環境破壊の象徴であると思い込んでしまいました。
現在も、環境団体や活動家の多くは、同じような見識を吹聴し続けています。
日本の都市における高層化が、停滞してしまいます。(それでも、東京の高層ビルの数は世界一。意外でしょ。)
緑の剥奪が、加速されてしまいます。
環境運動家たちの動きを見ていると、何を目指しているのか、全く分からなくなるときが往々にしてあります。
現実の自然のためではなく、ポピュリズムという幻影に酔いしれることのみを目的としている行動が散見されるのです。