まずは、「体の感覚に従ってはいけない(24)」を読んでね。

「7・ 炭水化物と甘い物を好む」について。

体の感覚に従ってはいけない(23)で記載した通り、近代化以前の人類にとって、太ってしまうことが最も有利な生存戦略でした。
それを効率的に叶えるためには、食べ物の種類を選別する必要があります。

なるべく「高カロリーなもの」というのは、間違いです。
人の体重増減に、カロリーはほとんど関係ありません。
現代の学校給食や病院食に幅を利かせている栄養学は、根幹から的を外しています。
正しくは、「脂肪細胞へ速やかに吸収されるもの」です。

白米2「千」㌔カロリーと肉の赤身2「万」㌔カロリーでは、前者の方が太るのです。
それどころか、後者は全て摂取できたとしても痩せてしまいます。
タンパク質は、不必要な分は全て排出されてしまうからです。

だから、肉ばかりを食べていては、生存が脅かされてしまいます。
そのため、防衛本能は炭水化物ばかりを好むようにしむけるのです。
スピリチュアルの住人の多くは、「エネルギー体が浄化されているから、肉を摂取できない」と、「自己顕示欲と選民意識」をちらつかせながら、語ります。
違います。
たんに、防衛本能からの信号に気がつかない鈍い感性しか持っていないがゆえの勘違いにすぎません。

しかし、現代人が防衛本能という体の感覚に任せて炭水化物を摂り続けてしまうと、

・ 血糖値以上
・ それによる自律神経とセロトニンシステムの破綻
・ この2つに起因する多岐に渡る精神疾患
・ ガン細胞の成長促進 (ガンの唯一の栄養は糖。酸素は別として)
・ 2型糖尿病
・ 動脈硬化
・ 高血圧
・ AGEによる老化の加速

に、ほぼ確実に侵襲されます。

防衛本能という体の感覚が、人の肉体を滅ぼします。

「8・ タンパク質を避ける」について。

「7・ 炭水化物と甘い物を好む」と、理由は同じ。

「9・ 野菜を避ける」について。
この項目は、飢餓ではなく「肉体損傷」を防ごうとする防衛本能由来の体の感覚。

人は、基本的に、苦味、酸味、辛味を嫌います。
なぜなのか。
自然界に存在する毒性のある植物や腐敗した肉の多くは、この3つの味に部類されるからです。
それらの味を好んでいたら、人類の大半は近代化以前に絶滅しています。
だから、防衛本能は宿主を守るために、味覚へ嫌悪感を仕込んだのです。

多くの人が、それほど野菜を食べたがらないというのは、そのためです。
野菜の多くは、苦味、酸味、ときどき辛味を持っています。
防衛本能という点で捉えれば、人は根源的に野菜が嫌いなのです。
だから、ドレッシングや調理法を工夫しないと、たくさんは食べられない。

事実、近年の野菜の品種改良の方向性は、「如何に甘くできるか」へ集約されています。
果物に近づいています。
防衛本能が、苦味、酸味、辛味を恐れているからです。

しかし、野菜を摂らなければ不健康になってしまうのは、誰の目にも明らかです。

防衛本能は、現代人にとって不要なことばかりをもたらす存在なのです。