まずは、「マイナスの症状をプラスに転換する(1)(2)(3)(4)」をお読みください。
 
自己顕示欲が強く、何にでもしゃしゃり出てくるタイプの人がいます。

積極奇異型アスペルガーや多動衝動性優位型ADHDに見られる症状ですが、定型発達の人の自己主張とは、明らかに程度が違います。
「俺が、俺が!」感が半端ないため、内向的な国民性を持つ日本社会では、ものすごく浮いた存在になります。

年齢が低ければ低いほど抑えがきかないものなので、小、中、高校生時代にはかなり顕著な行動として表れます。
学校では「イタイ奴」という目で見られることも多いでしょう。
大人になってから過去を振り返ったとき、「そういえば、友達って誰もいなかったかも」ということになりがちです。

とはいえ、このタイプはあまり人目を気にしないという特徴も持っているので、本人は周囲から浮いていることに気づかなかったりします。

本人はハッピー、周囲は大迷惑、という状況がよく起こります。

ただ、自己顕示というのは「正しさの誇示」の表れであるため、このタイプは基本的に正義感が強く、社会通念を重視する傾向にあります。

押しが強くて行動力もあるため、警察官などにも非常に高い適性があります。

基本的にアスペルガーやADHDは一人で黙々と取り組む仕事に向いていることが多いのですが、このタイプはチームで活動することも可能です。
アイデアマンやチームリーダーとして、プロジェクトを引っ張る役割を果たすことになるでしょう。

(つづく)

 

【発達障害とどう向き合うか】(実務教育出版)