まずは、「マイナスの症状をプラスに転換する(1)(2)(3)」をお読みください。
 
「冗談が通じない」というのも、論理型思考の強いアスペルガーに多く見られる症状です。
(ADHDの方にも、こういうタイプは割といます)

これは、言葉や文章を文字通り受け取ってしまうからです。
そこに書かれている比喩や誇張などを理解することができません。
これも、KY(空気読めない)の亜種のようなものです。

「喉から手が出る」「目から鱗」といった慣用句をたくさん覚えることで、比喩表現に慣れ感覚を磨いていく。
こういう地道な努力によって、かなり改善することができます。

といっても、日常会話の中でよく出てくる親しみをこめた冗談やからかいに慣れるのは、なかなか難しいでしょう。
「あんなことを言われてしまった」とか「冗談だと気づかずに、ムキになっちゃった」とか、あれこれ悩むことも多いかもしれません。
でも、これはこれで人間的な魅力なのです。

ともすれば杓子定規になりがちな論理思考タイプの人に、ちょっとした天然ボケの要素が入るわけですから。
かっちりと完璧な人よりも、ちょっと抜けていて突っ込みどころがあるぐらいのほうが、親しみが持てるというもの。
発達障害者は人づきあいが苦手な傾向がありますが、この天然ボケの親しみやすさによって、マスコット的な「愛されキャラ」を上手く確立することができるのです。

(つづく)

 

【発達障害とどう向き合うか】(実務教育出版)