【『日経WOMAN』セレクション】男が知らない、女たちの13の秘密/日経BP社

不定期にはなるけれど、これから独断と偏見で「良書」を記載していきます。

個人としての日常と全体としての社会を改善していくには、本物の情報の多量入力が、根源的な役割を担う。

しかし、この本物か否かの判断が極めて難しい。

それどころか、ニセモノのそれに限って面白さと説得力に溢れていることが多い。

事実、ベストセラー本の大半は知識としての間違いに浸食されている。

情報の入力好きになったとしても、日常生活の質を低下させてしまうことになってしまう。

だから、本物を判別できる機会というのが必要となってくる。

もちろん、僕にはそんな鋭い知性、感性など備わってはいない。

しかし、アスペゆえに(?)友だちはいないが、それぞれの分野においては超一流の知人に恵まれている。

彼らの意見へ傾聴することで、多少は判断の機会になれると考えている。

 

一冊目。

「男が知らない女たちの13の秘密 瀬戸久美子 日経BP社」 

残念ながら著者との面識はない。

内実や本音を語れない時代なのだと思う。(もちろん、以前からそうだが)

SNSの台頭、社会全体におけるコンプライアンスの過剰重視、スピリチュアルに代表される躁的なポジティブ論。

これらは、多義に渡り精良な力を発揮しているのは事実である。

しかし、それと同時に苦しみや本音を口にする機会を奪ってしまった。

Facebookでは「リア充」を演じなくてはならない。

問題の本質的な指摘は、短絡的な批判にさらされるので難しい。

弱音を吐くと、「言霊」の大切さで滔々と説教されてしまう。

真実の声を拾うことができない。

ゆえに、「キレイな印象」だけが先行してしまう。

しかも、女性は社会的な刷り込みとして、男よりも愛想を求められてしまう。

煩いに光りは当たらず、膨れていく。

迷いは、深くなる。

悩みを抱える人は、自分と同じものを持っている人はいないと思い込んでしまいがちである。

それが、憂悶に拍車をかけてしまう。

彼女たちが楽になり新たな一歩を踏み出すためには、健全な範囲での

1・独りではなく、同じ悩みを持っている人が多くいることを知り
2・その人たちと共感し合うこと

が、必要となる。

著者は、この本を通じてその手伝いをしたかったように思える。(他にも善き意義を持っていると思うが。)

女性だけではなく、男も読んだほうがいい。

女性心への配慮が進む。