質問ボックスに寄せられたご質問に、お答えします。
回答が大変遅くなり、申し訳ないです。
現在、多忙のため、新たな質問は受け付けておりませんので、ご了承願います。

前回からのつづきです。
まずは「過緊張について(1)」をお読みください。

==========

2.スモールステップでロールプレイ

一気に解決しようとは思わないでください。

たとえば、人前で話すのが苦痛なのに、30人の前で講演をしなければいけないという場合。

まず、誰もいないところで話してみる。

それに慣れてきたら、1人の前で話す。

それも、本来2時間話さなければいけないところを、5分だけでいいからやってみる。

それを、10分、20分、2人、3人と増やしていく。

このようにロールプレイをスモールステップで積み上げていくとよいでしょう。

少しでもステップアップしたら、自分で自分を思いっきり褒めてあげることが大事です。

こうすると、脳内で快楽学習が行われ、人前で話すことに喜びを感じるようになっていきます。

人前で話すことが大好きにまではならないかもしれないけれど、恐怖心は大幅に減るわけです。

緊張の60%~70%は、事前の練習や準備、あるいは情報収集によって解決できます。

3.実体のないものだと知る

過緊張というのは、実体のないものに対して、脳が勘違いして恐怖を感じてしまうことよにって起こります。

なので、脳に「実態がないんだ」ということを教えてあげるようにしましょう。

「この緊張や恐怖心は、勝手に感じているだけであって、そこに実体はない」
これを、緊張するような場面を思い出しながら、繰り返し繰り返し自分に言い聞かせます。

できれば、声に出して行ったほうが効果的です。

根気よく続けていくと、脳が「これは恐れないでいいんだな」ということに気づきます。

たとえば、ジェットコースター。

最初は怖いけれど、乗り慣れてくると怖くなくなってきますよね。

これは、「乗っても死なないんだ」ということを脳が学習するから。

それと理屈は同じことです。

 

【発達障害とどう向き合うか】(実務教育出版)