H.Sさんからのご質問です。
【ご質問内容】
セッションして頂きありがとうございました。
息子にアスペルガーであると伝え、食生活・生活サイクルを見直し、体を元気にすることが今の状態を軽減できると話しました。
が、息子にしてみれば突然母親からアスペルガーと言われても釈然としないようで、なかなか取り組むことができません。生活を変える事は、強迫性による時間規制(夜は2時過ぎないと寝られない等)ルールを変えなけれいけない辛さもあり、また将来自分はちゃんと生きていけるのかという不安も大きいようです。
母親としての私の覚悟の甘さもあるのでしょうが、出来れば一度直接吉濱さんから息子へアドバイスをお願いしたいのですが、どうしたら良いでしょうか?
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【回答】
たしかに息子さんにしてみれば、いきなり母親からアスペルガーだと言われても、困惑してしまうだけでしょう。
これはよくあることです。
僕は、親御さんに対して、お子さんが中学生以上であれば「あなたはアスペルガーです」「あなたはADHDです」と伝えちゃったほうがいいとアドバイスしています。
だけど、伝えるときに大半の人は失敗している。
なぜかというと、大きく2つ。
まず単純に、ちゃんとした説明になっていないということが大半。
子どもから質問されてもちゃんと答えられないとか。
2つ目は、発達障害の「障害」という言葉に対して引っ掛かってしまうこと。
発達障害は負の症状ではなくてプラスの財産であるというフレームを伝えなければ、本人としては釈然としない。
この2つをきっちり解決できるという条件を満たすなら、なるべくお子さんに伝えたほうがいい。
それでも伝わらないという場合は、親子間でやるのではなくて、第三者に頼んだほうがいいでしょう。
親子間って、ほとんど話が通じないものだから。
余りにも距離が近すぎるからね。
優秀な心理カウンセラーであったとしても、自分の家族のカウンセリングはできないもの。
それは、距離が近すぎるから。
きちんと伝えなければ、相変わらずお子さんは発達障害特有の症状に引きずり回されてしまう。
母親は子どもが発達障害であるということもその対処法も分かっているのに、何もできず忸怩たる思いにかられてしまう。
そうなるくらいなら、心理カウンセラーなり専門医なり、第三者に委託したほうがいい。
一番いいのは、同じような発達障害を抱えていて、かつその改善に成功し、社会で活躍している人。
そんな人がもし身近にいるなら、その人に話をしてもらうといいでしょう。
話はちょっと飛ぶんだけど、子どもの発達障害を改善させていくうえで一番重要なことは、丸抱えせずになるべくアウトソーシングしていくこと。
「ここについては家族で取り組む」と一点決め、それについては徹底的にやる。
でもそれ以外のことは上手にアウトソースする。
これがポイント。
発達障害の改善に取り組む親御さんには、極めて真面目な人が多い。
それはいいんだけど、真面目ゆえに問題を丸抱えして、結果、身動き取れなくなってしまうことが多々あります。
そうならないように、なるべくアウトソーシングを前提にしましょう。
そして、ある一部分だけを徹底的に請け負う。
そういう形にしたほうがいいでしょう。
・全てのアスペルガーは(もちろん、発達障がい全般)、社会の財産。