アスペルガーの解説書の多くに、「彼らは感覚過敏である」と記載されています。
正しさと間違い、半分半分といったところです。
正確には、
・外界からの刺激には病的なまでに過敏
・内面からのそれには麻痺的に鈍感
となります。(もちろん、当てはまらない当事者もいるよ)
前者においては、定型発達であればやり過ごすどころか空気のように気づきもしなかった情報に苦痛を覚えることがあります。
そんな彼らであったもしても、後者においては定型発達者の追随を許さない(?)無感知を発揮してしまうのです。
極端な例ではありますが、ストレスによる失神。
定型発達であれば、そこへ至るまでの間に様々な変調や苦痛を認識します。
・集中力の低下
・情緒の不安定
・脈拍の亢進
・慢性的な疲労
など。
アスペルガー人(特に根性のある真面目な受け身型)は、卒倒する直前まで普段通りの振る舞いをします。(誤解のないように。定型発達と同じような変調の過程を経験する場合も多々ある)
その後にはじめて、「自分は随分とストレスが溜まっていたのだ」と気づきます。
ストレスを自覚したわけではありません。
失神という「客観的な事実」から判断したのです。
そこまでいかずとも、血中のストレス数値が極めて高いアスペルガー人は「ゴロゴロ」といます。
にもかかわらず、彼らの大半は自覚がないがために休みを取らず、さらに追い込みをかけて中毒的に働き続けます。
ある日突然に、燃え尽きます。
「小出しに倒れる」ことができないがために、いざそれを迎えた時の変調の度合いは深刻なものとなります。
そうならないためにも「根性のある真面目な受け身型」アスペルガー人は、ストレスや疲労を解消するための休日を
・疲れ度合いや作業量に関係なく
・定期的に取るものとし
・最優先事項と位置づけ
・「時間ができたら」ではなく
・予定帳へ真っ先に書き込み
・それを死守する(そのためにストレスを溜めてはいけないど)
という「規則化」(流れや体の感覚に身をまかせて、と言っている人ほど人生うだつが上がってないよね)が、必須となります。
結果として、性来の勤勉さによる高い生産性に低下はみられず、多方面にわたり大きな結実を迎えることとなります。
ただ、それが極めて難しい。
「根性のある真面目な受け身型」アスペルガー人の多くは
・症状(?)としての論拠無き苛烈な焦燥感
・何かを習得生産せずに過ごすことへの真っ黒な虚無感
・あまりにも限局された興味
ゆえに、休暇を楽しむということが極めて苦手なのです。
結果として、気がついたら仕事をしているという状態へ落ち着いてしまいます。
彼らは、早々に休む技術を身につける必要があります。
自然発生的に、休み上手へ変貌することはありません。
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