アスペルガー人の多くは、注意機能(対象に注意を向ける働き)に歪みが生じています。
その代表的なものとして、自身にとって不快、脅威となるものへ注意の全てを向けてしまうことがあげられます。
今、目前に迫っている大きなそれらであれば人間の生理作用として当然ですが、アスペルガー人の場合は、現在は全く関わりのない事柄でさえ、その歪みをいかんなく(?)発揮させてしまいます。
例えば、以前にこっ酷く自分を叱った(と言うよりもパワハラ)部長が、同じオフィスにいる。
ただ
・そこはあまりにだだっ広く
・その部長との距離も肉眼でなんとか確認できるほど離れている
・プロジェクトとしても現在未来関わりがない
ならば、気にしなければいいだけなのに、アスペルガー人は、その部長に延々と注意を向けてしまう。
結果として、アスペルガー人の脳内において部長という情報が溢れかえり、気質的な情緒不安定に拍車がかかってしまい、ウツや睡眠障害などの二次障害を引き起こします。
アスペルガー人が、根拠なくいつも何かに怯えているのは、そのためです。
(他にも因子はあるよ。)
日常生活を楽なものにするには、この歪んだ注意機能を回復させることが必須と言っていいでしょう。
残念ながら、巷の自称心理カウンセラーは(僕も肩書きがカウンセラーになってるけれど)、この理解を持っていません。
トラウマが情緒不安定を作っている、という認識を持ってしまっている。
(先端の心理学ではトラウマにさほど原因を求めない。トラウマが注意機能の歪みを生じさせる側面があるのは事実だけれど、それとは独立して注意機能に不全が発生し情緒不安定を作っていることを知らないといけない。)
そのため、注意機能への介入、という考えに至らず、延々と非効率的なセッションを行なっています。
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