定型発達の子を持つ親御さん。
「学校を卒業してくれれば、とりあえず肩の荷が降りる」
発達障害傾向の強い子を持つ親御さん。
「社会に出てからがサバイバルの本番、さあ、どうしていこう。」
となります。(誤解なきように。発達障害人は、社会において無能な存在ではない。能力や適応できる環境に凹凸が大きいだけ。凹ばかりが曝される環境や職種に押し込まれ続けたゆえに、不当な評価を受けているにすぎない。)
サバイバルを確実なものにする有効な一つとして少し理想論にはなりますが、「稼ぎに直結する症状としての強み」を学生時代から徹底的に伸ばすことがあげられます。
では、その強みを自覚し、進展に集中できるかというと、そうではありません。
残念ながら、解説書記載や世間一般で知られている「自発的な才能への熱中」は、なかなか起こらないのです。
たしかにアスペルガー人によく観られる興味の限局と過集中で、技術が早熟する場合もあるのですが、ごく稀と言っていいでしょう。
だから、親御さんなどの周囲が
・強みを指摘し
・それを継続できる環境作り、あるいは環境圧力(決して意志力などの精神論を持ち出してはいけない)
という形で支援してあげる必要があります。
この理解が欠落している何の責任を負うことのない周囲の親友や心理カウンセラー、教育評論家は、「自然と熱中することが見つかるから大丈夫」などと口にします。
それが本当であれば、長期引きこもりやニートなど大幅に減っているはずです。
また、そんな無責任な発言をする彼らが、熱中する人生とは程遠くにいます。
「自発的な才能への熱中」という性善説(?)は、信じないほうがいいでしょう。
発達障害と結婚
イースト・プレス
発達障害の人のための上手に「人付き合い」ができるようになる本
実務教育出版
コミックエッセイ 隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方
宝島社
発達障害の子どもがぐんぐん伸びるアイデアノート
メディカルパブリッシャー