まずは、日本におけるアスペルガー(発達障がい)対策があまりにも遅れている理由(5)を読んでね。
そして、最後に、頭の弱いコメンテーターが、
・日本も、治安が悪くなった
・女性は、夜道を独りで歩くことができない
・子どもを、独りで外へ遊びに行かせられない
と、苦悶の表情で締めくくります。
視聴者は、納得してしまいます。
彼らの多くには、統計という思考が存在しないので。
そして、「日本は悪化の一途を辿っている」という「実体のない空気」が形成されてしまいます。
これが、「日本の治安悪化論」の正体です。
なぜ、人はこんな誤った認識を持ってしまうのうでしょうか。
・人の思考は、「早い思考と遅い思考」の2種類に分けることができる
・人は防衛本能上、前者を好む
ことに直接的な要因があります。
早い思考は、すべてを直観的瞬間的に判断します。
遅い思考は、主観を離脱するまで健全な意味で結論を長期的に先送りします。
前者は、世間一般の言葉を用いればステレオタイプ、認知療法では、レッテル貼り、感情的決めつけといった認知の歪みにあたります。
・自分にとって理解不能な現象に出くわすと、宇宙人や神の祟り、闇の勢力が引き起こしたと、刹那的に判断を下す
・安保や原発などの分かりやすい現象にはデモへ参加するけれど、それ以外の政策を何一つ知らない勉強しない
人は大勢いますが、彼らは早い思考の虜になっている典型例と言っていいでしょう。
後者は、圧倒的な論理と知識量をもとに多角的な要因と分析、主観ではなく数字に基づいた統計を駆使して丁寧な精査を重ねます。
100を聴いて1つ理解する研究者、数式の正しさに4年以上の審査期間を用いる学者、犯人を特定できたとしても決定的な証拠を掴むまで捕らえようとしない捜査官、難解な文章が凝集された本ばかりを好む読書家が、遅い思考の該当者となります。
続く。