僕が子どもの発達障害の療育の相談に乗る上で、褒美制を提案することがあります。
長期的に望ましい課題を実行できたならば、はじめて褒美を与えるというもの。(宿題をやったらはじめてゲームが一時間できるというのは、その典型)
なんでもかんでも褒美で操作することは望ましくありませんが
・その子にとって長期的には、ほぼ間違いなく望ましいこと(運動、定時の起床終身、症状としての才能の伸展)なのだけれども
・いくら説得しても本人が全くやろうとしない
・それどころか、毎回大げんかになってしまう
・あるいは一時的には行なうけれど続かない
という条件であれば、その仕組みを用いた方が不毛な親子関係の悪化を防ぐことができ、また、子どももさっさと実践、継続できるので優れた方法と言えるでしょう。
(ありがちな褒美制批判についての回答はこちらから)
このことに気づき、実行する親御さんが増えてきているのは嬉しいことなのですが、残念ながら間違った褒美制を選択している場合が多々あります。
その一つとして、褒美の全てを取り上げていないことがあげられます。
かりに子どもにとっての褒美を一つ取り上げたとしても、他のそれが残っていれば課題を行なう動機づけにはなりません。
子どもがファンタとコーラ の2つだけが、褒美になり得るとします。
運動したら前者を飲ませてあげる、という「契約」をしたけれど、後者は飲み放題の状況であればやる気になりません。
しかし、この問題点に気がついていないゆえ褒美制は全く効果がなかった、と絶望している親御さんが多くいます。
褒美性を実行する前に、その子にとって褒美になるあらゆるものを取り除く必要があります。
それではじめて、うまくいきます。
最初に全て取り上げることは大変であり、それを聞いただけで膨大な作業量にうんざりしてしまうのは承知ですが、不毛な親子ゲンカをし続けるよりはずっと楽であることを認識しておく必要があります。