課題無関連思考が深刻な学習障害を引き起こします。

大人子どもを問わない発達障害人の特性として、知能は平均以上であるのに、勉強しても全く(?)頭に入っていかないということがあります。(全員ではなく)

直接的な要因は多々ありますが、代表的なものとして課題無関連思考があげられます。

それは、なんらかの課題や作業をこなしている最中に全く関係のことを考え続けてしまう状態を指します。

英語を勉強している最中に、昨日食べたラーメン、明後日の休日に遊びに行く場所、恋人にこっぴどく振られた過去、などを頭に巡らせすのは、その典型です。

もちろん、定型発達も含め誰でも課題無関連思考は持っています。

ただ、発達障害人のそれは度を超えているのです。

課題に取り組もうとすると、課題無関連が超高速で動き出す。

まるで、もう一人の自分が脳内で

・延々と話している
・大画面モニターで映画を観る

ような状態となります。(統合失調症にみられる幻覚とはいっさい関係ない)

これでは、勉強の内容が頭に入ってこないのは当然のことです。

余談ですが、人はウツになると普段の自分であれば一回でも読めば理解できる内容なのに、何回目を通しても覚えられないのは、やはり課題無関連思考が強くなってしまっているからなのです。

ウツになると頭が働かないから理解できないというのは、抽象的すぎます。

だから、勉強に困っている発達障害人は、この特性をある程度は改善する必要があります。

方法は多岐に渡りますが、簡単なものとして

・思考の実況中継

があげられます。

課題無関連は、自分がそれに陥っていることに気がつかないことで、延々と強くなり続きます。

逆に捉えれば、気づくという客観性を獲得できれば、それは減ります。

事実、課題無関連思考の強さとメタ認知(客観視)の弱さは、反比例することが認知心理学において頻繁に指摘されています。

では、具体的にどうするかというと、簡単でいいので思考の内容を口にします。

ラーメンのことを考えてる、休日のことを考えている、などと。(繰り返し、長期的に行なうことは必須)

その後に「課題に集中している」という言葉も加えることで、短時間ですが集中できるようなります。

考えていることを文言にするのが面倒であれば「考えている」だけでも構いません。

それでも、余計な思考は顔を覗かせます。

それはいいのです。

抑え込むことが目的ではなく、思考に気がつくことが目的なので、出てくるのは良い意味で諦めます。

気楽に口にします。

すると少しは課題無関連思考は減ります。 (睡眠と栄養、運動がいい加減すぎると、この方法は全く役に立たないからね。)