明日から、アスペルガーブログに戻るよ。

フェアトレードというものがあります。

市場経済は、貧しい国々や人たちを最低賃金以下で搾取している。彼らに人権と生活保障を創造するために、企業に対して公正な取引を求めていく」というアンチ・グローバリズム運動です。

日本においてはそれほどでもありませんが、優越感たっぷりの模範意識を晒したい欧米人の間では、広く普及しています。
フェアトレードの主張は、「アフリカや中南米といった発展途上国で、先進国を中心としたグローバル企業が、農家のコーヒーやカカオなどの豆をその資本の力で安く買い叩いている。それにより、彼らは奴隷同然となり何とか生産費を抑えようと熱帯雨林を伐採し、環境は破壊され、それでも彼らは破産してしまう。」というものです。

彼らの主張が正しいというのであれば、こんなことは許される話しではありません。
その問題を解決にするには、グローバル企業が「公正な価格」でコーヒーを購入することです。そうすれば、彼らの人権、生活、環境は守られ永続的な営みが可能となります。

無条件に賛同したい内容ですが、本当のところはどうなんでしょうか。
事実は、2003年以降、市場価格はフェアトレードが「公正」とする価格を常に上回っているのです。
2011年の取引価格に至っては、フェアトレード2・81ドル/キロ 市場5・73/キロとなっています。
リーマンショック直後の3ヶ月を除き、市場価格はこの最低価格を下回っていない。

だから、2005年以降、誰もが知る大企業が次々とフェアトレード認証を受けたのです。

これだけでも発展途上国の人々は、豊かになる機会を奪われているのに、もう一つさらに貧困に拍車をかけるやっかいな問題が発生しています。

農家の彼らが受け取るお金が、1・38ドル/キロに減っているのです。
フェアトレードを行なうには、個人個人で対応することは不可能なので、協同組合のようなものが必要となります。
その組織は、地元の有力者に支配されてしまい、管理費なんちゃらの名目で彼らの賃金が搾取されてしまっています。

フェアトレード団体は、この事実に気がついています。しかし、協同組合がないとこの「美しき偽善」は継続できないので、目をつむっているのです。

結局のところ、フェアトレード団体や、ロハス、スピリチュアルが批判しているグローバル経済の方が、彼らに豊かさと人権を創出しています。
しかし、素直さと善意に満ちているはずの素晴らしき人たちは、この論に耳を貸しません。
事実を直視することよりも、自尊心の防衛が先んじているのです。

それは、エゴ以外のなにものでもありません。