今回の話は、どちらかというとグレーではなく診断のつくアスペルガー人の話。

アスペルガー解説本の多くに、アスペルガーは知能指数が高い、と記載されています。(僕の本でもそう記載している)

その理解は正しさと間違い、半分半分といったところです。

たしかに東大教授の3人に1人、NASAの研究員の2人に1人はアスペルガーであり、僕の来談者のアスペルガー当事者もIQ170以上が何人かいます。

知能における古今東西の天才たちのほぼ全てはアスペルガーである、という専門家医の見解にも概ね同意できます。

ただ同時に、境界知能(IQ70〜85。知的障がいは69以下、日本人平均103前後。)に分類される場合も多いのです。

実際、アスペルガーは高低学歴校に集中しており、平均学力校にはあまり見当たらない(最近は増えてきている)。

「アスペルガー=知能が高い」という認識が先走りしてしまうと、境界付近にいる当事者たちは見過ごされる事態が多発してしまいます。

気づく機会を失ってしまい、日常の困苦は不必要に長期化するのです。

「アスペルガー=知能が高い」ではなく、「アスペルガー=知能が両極に振れる」という理解への変換を急ぐべきでしょう。