日本の治安は改善していますか、悪化していますか。
捻くれ者でない限り、後者を選択します。
間違いです。
日本は、戦後最高の治安の良さを手に入れて入れています。
にもかかわらず、悪化した印象を国民のほぼ全員が持ってしまうのは何故なのでしょうか。
その直接的な一因にテレビ報道の変化があげられます。
テレビは、ネット広告の台頭で売り上げがお落ち込み、制作費をかけられなくなりました。
すると、必然的に
1・金がかからず
2・長時間の放送に耐えられ
3・そこそこの視聴率が取れる
内容へと、偏向してしまいます。
その典型が、凶悪事件です。
テレビメデイアが全盛だった一昔前と現在では、その扱い方に大きな違いが生まれました。
前者では、殺人や誘拐が起こったとしても、珍しい内容でない限り、アナウンサーが、原稿を棒読みして、1分以内に次のニュースへ移りました。
しかし、後者は、そういった小さな扱いだった事件でも、現場の映像をふんだんに使用しながら、長時間の放送を実施します。
1・如何に、悲惨であったか
3・統計という数字を無視して
3・どれほどに、類を見ない事件だったか
という結論ありきで。
最後に頭の弱いコメンテーターが、
・日本も、治安が悪くなった
・女性は、夜道を独りで歩くことができなくなった
・子どもを、独りで外へ遊びに行かせられなった
と、苦悶の表情で締めくくります。
視聴者は、納得してしまいます。
彼らの多くに、統計という思考が存在しないので。
そして、「日本は悪化の一途を辿っている」という「実体のない空気」が形成されてしまいます。
これが、「日本の治安悪化論」の正体です。