(若干、極論ね)
発達障がいにおける理解と支援の仕組みが、少しは普及しつつあります。
専門外来も増えているようです。
成熟したものであるか否かは別にして、10年前とは隔世の感があります。

当事者であり、類友の応援をしている僕としても、嬉しい限りです。
ただ、懸念していた通り、その流れに中に隠れアスペルガー(グレーゾーンアスペルガー。軽度の発達障がいを持つ人たち。ADHDも含む。)は、取り込まれていません。

何らかの強い発達障がいを持つ人は、発達障害の診断を受けることができます。
そこから、障害者手帳、障害者雇用枠、安価なカウンセリングなどの療育といった社会的支援の活用が始まり、日常生活が多少は楽になるのです。

残念ながら、隠れアスペルガーは、そういった待遇を与えらることはありません。
たしかに、診断がついた発達障がいの人よりは、症状は軽い。
そこだけを見ると、隠れの方が楽でいい。

ただ、つねに定型発達者の何倍もの苦しさに、侵食されている。
公的な支援はないので、独力で歯を食いしばるしかない。
症状が強くないがために、辛苦は増福するという、不可思議な状態に陥ります。

 

隠れアスペルガー、というフレーム(見方)を、早々に作った方がいい。

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