僕は発達障害人の療育において、部屋は可能な範囲でいいから片付けてほしい、とほぼ必ず伝えます。

理由は多岐に渡りますが、その一つにワーキングメモリーの破綻を防ぐことがあげられます。

「注意

ワーキングメモリは短期記憶ではない。どちらかというと短期記憶を含めた

・統合情報処理活用機能
・特定の課題や作業を完遂するまでに保持、活用する機能

と表した方が的確と言える。(長期記憶からの検索能力+注意制御能力 などのモデルもあるため、決定した理解には至っていない)」
ワーキングが弱い発達障害人は、散らかりを作っている物を処理すべき情報として脳内に入れてしまいます。

そこで処理できるならば問題はないのですが、ワーキングは弱いのですから当然(?)のこと、情報を消化することはできず脳内は大混乱に陥ります。

すると、ワーキングにさらに負荷が掛かった状態が出来上がるため、機能は停止します。

・情緒不安定(ワーキングは情緒安定とも密接に関わっている)
・作業の投げ出し
・うっかりミス
・集中力の低下

は深刻な状態となります。

部屋がとっ散らかるだけで、日常生活は大きな困難を迎えます。

ざっくりの対策として

・いらないものを片付けコンサルと一緒に捨てる (物が減ればさほど収納能力を必要としない)
・使い勝手の優先順位を相談した上で片付けコンサルに片付けてもらい、物の住所を固定する
・癖付けされるまで上記二つを繰り返す

があげられます。

少しはワーキングが稼働するようになります。