聴覚過敏を抱える発達障害人にとって、SONYやBOSEに代表されるノイズキャンセリング機能のついたイヤホンやヘッドフォンは強い味方です。

これにより、外出や乗り物移動のストレスが大幅に減り、出歩く機会が増えることもあります。(僕も飛行機に乗るときに使用しているが疲労感は少なくなっている。飛行機は誰にでも言えるだろうけれど。)

では、これを多用すればいいのかというとそうではありません。

かえって、騒音に対しての耐性は下がってしまい、大局的にはストレスをより感じる可能性が出てきます。

その理由の一つとして、恐怖による回避行動が根底にあることがあげられます。

臨床心理において、過ぎた回避行動は、症状を悪化させることが同意されています。

パニック障害はその典型です。

電車にその特徴を持っている人は、なんとしてで乗らずに移動できるよう、あの手この手のルート検索を行ないます。

気持ちはとてもわかります。僕もその傾向があったので。

ただ、仮に電車に乗らずに済んだとしても、電車を恐怖対象として注意の全てを向けた結果なので、よりそれに強い怖れを抱くようになります。

喧騒は定型発達人にとっては多少の不快でしかありませんが、発達障害人には同時に強い恐怖を誘発する存在です。

ゆえに、回避=注意を過剰に向ける、が成り立ちます。

結果として、過敏に反応しやすくなり、音へのストレスは増大します。
注意

・ノイズキャンセリングを使うな、ということではない
・この機能は適切に使えばストレスは軽減できる
・やり過ごせる対象となる音を決めて少しは減らした方がいい

という趣旨