発達障害の解説書には、アスペルガー人はコミュニケイション障害を抱えていると、必ず記載されています。
その理解は、半分ほど間違えています。
どちらかというと、コミュニケイションにおいても激しい凹凸が出てしまう、という理解の方が適切です。
たしかにアスペルガーが重い傾向にある人は
・知能が高くとも、相手の口頭における言語への記憶と理解が弱い
・無神経な毒舌が多い(悪意はないけれど、それが認識の遅れにつながっている。)
・雑談が壊滅的に苦手である
という特徴を乱発してしまいます。
ここだけを捉えると、いわゆるコミュ障と言わざるを得ません。
しかし、同時にアスペルガー人は、特定専門分野における
・説明
・相談回答
・講師
の立場になると、定型発達を上回るほどのコミュニケイション能力を発揮することがあるのです。(全員ではない、その傾向にあるということ。特に隠れアスペルガー人に多い。)
にもかかわらず、アスペルガー人=コミュ障 という呪詛が蔓延しているため、自他共にその長所に気づかず、大きな損失を発生させています。
その理解が先行してしまうと
・長所としてのコミュニケイション部位を活かさない、伸ばさない
・短所としてのそれをひたすらに改善させようと躍起になる
という、極めて対費用効果の低い、要は不毛な努力に走ってしまいます。
なまじ、アスペルガー人は、真面目な努力家が多いため、延々とその路線を走ります。
しかし、効果は得られない。(適切な方法であれば、それなりの改善は望める)
心が折れます。
ただでさえ強い対人回避欲求に拍車がかかります。