まずは「終身雇用を破壊せよ(20)」を読んでね。
終身雇用の要は、年功序列型の賃金体系にあります。
給与の中身は、能力や成績によらず年齢で決まる。
彼らは、高度に学問を学んだとはいえ、社会人としては実質1年目の新人にすぎません。
年収300万以下の22歳新人の横で、年収450万の30歳「新卒」が同じ仕事をする。
納得する既存の社員など、いるわけがないのです。
では、「高学問の彼らを1年目は新卒なみの給与から始めて、2年目からは働きに応じて処遇を決める」、という「当たり前の柔軟」な対応を取れるかというと、そうはいきません。
年功序列型賃金体系とは、対極にある職務給を認めることになるので、組合が黙ってはいない。
毎年、労使で30歳モデル賃金を交渉し、そこで決まった昇給額を基準に、35歳でいくら上げるか、40歳でいくらかを決めていきます。
だから、例外は認められない。
年功序列は、日本の古き良き伝統ではありません。
高度経済成長期が本格化するまで、職務給でした。
たった30〜40年間の存在を文化とは呼べない。
最低限の働きで、そこそこの給与の保証を望む稚拙な仕事人のために存在する制度です。
既得権益を剥がされたくないので、必死に抵抗します。
表向きには、
・労働者の権利を守ろう
・日本の和を大切にする心の現れ
という美言を振りかざしながら。
続く。