ガン細胞は、粘着質的な生命力を有しています。
しかし、活性酸素を消去する抗酸化酵素の産生(うみだす)能力は持ち合わせていません。
それが、生存における大きな弱点の1つでした。

放射線や抗がん剤、ヴィタミンC大量点滴といった療法が一定の効果を示してきたのは、ガン細胞内でふんだんに活性酸素を生成することが可能だからです。
それにより、ガン細胞は死滅するのです。

ただ、治療成績が低かったことは否めない。
主な理由としては3つありますが、今回はその1つを。

「ガン「幹」細胞が占める割合を無視し続けた。」

ガン細胞は、大きく2種類に分けることができます。

1つは、一般的なガン細胞。
もう1つは、ガン「幹」細胞。

後者に先の手法は、通用しません。

活性酸素を消去するための抗酸化酵素生成能力を、持ち合わせてしまっているのです。
ゆえに、どれだけ放射線や抗がん剤、ヴィタミンCを投与したところで、消滅していくことはありません。
それどころか、体内の正常細胞が破壊されていきます。(ヴィタミンCは大丈夫)

そのガン幹細胞が体全体のガン細胞に占める割合としてとても低いのであれば、それらの療法は実に有効です。(むやみに西洋医学を叩くのは間違い。)
しかし、大部分であるならば、効果はないのに副作用には苦しんでしまうという、やりきれない徒労に終ってしまいます。

にもかかわらず、ガンの内科的治療においては、ガン「幹」細胞への考慮はありませんでした。

この理解は、特に目新しいものではありません。
トンデモ仮説ではない、平均的な学術見解にすぎません。

しかし、知り合いの医師たちへ問うても知らない場合がほとんどなのです。

続く。