日本において脳生理学は古くから先端を走っていますが、精神科と臨床心理は政治的事情で(日本における発達障がい対策があまりにも遅れている理由(1)団塊の世代として を参照)成熟他国と比較して遅れに遅れています。(ある程度は改善されてきた。)

ゆえに、アスペルガーというフレイムが持ち込まれることはなく、アスペルガー人特有の恐怖や不安を中心とした心理、感情構造は、論拠のないトラウマ説に依拠していました。(トラウマ説は全て間違いというわけではない。適切な箇所もある。)

残念ながら、この流れは今も続いています。

今さらながら、発達障がいやアスペルガーというフレイムを認めることのできない、しかも認知療法の基礎すら勉強していない自称心理カウンセラーたちは(特に来談者中心療法やインナーチャイルドなんたらの理解を展開する人たち)、回避が強すぎることを思い悩み相談に来たアスペルガー人に対して、トラウマ論を展開します。

一聞すると納得できる箇所もあるので、アスペルガー人は、いよいよ過去のトラウマ探しに奔走するようになります。

それは、否定的過去を思考やイメイジとして反芻することと、何ら変わりありません。

当時の否定的感情が、四六時中、再現されます。

大きな負荷となります。

2週間もすれば、それに耐えられなくなり、強い抑うつ状態へと陥ります。

結果として、回避は強化されます。