まずは「アスペルガー人が雑談を克服するために(41)」を読んでね。

多くの人は、原因は真実である、という理解を持っています。

間違いです。

原因は、神にでもならないかぎり主観の域を抜け出すことはできません。

消化器系の病気は、

心臓外科医であれば心臓(少し極端に表現)、分子整合栄養医学医であれば栄養と糖質から、原因を捉えます。

どちらも、論理としては正しさを組み立てることはできますが、「それぞれの専門」という感情的偏りから生まれていることは否定できません。

アスペルガー人にも、同じ理解を適応させることができます。

ならば、希望の持てる生産的な原因を設定すればいい。

落ち着いて勉強できないのは、

「スペクトラムで多動傾向ADHDが入っているから」ではなく、「机をパーテーションで区切っていないから(構造化が足りないということ)」

朝の支度がやたらと遅いのは、

「前頭葉の機能不全により計画性がないから」ではなく、「動線のマニュアルを絵で示していないから」(この2つの例、いきなり実践しないでね。個人に合った形にしないと失敗する可能性が高いので。)

といった具合に。

雑談も同じです。

「アスペルガー人だからできない」ではなく

・雑談克服の有効な技法を知らない
・自宅でそれを練習していない

という原因理解を同時に持ち込めば、多くのアスペルガー人にとって望みは生まれます。

実際、それで結果は伴います。(どんなに療育を施しても乗り越えられない壁や分野は、存在する。でも、雑談はいけるよ)

アスペルガー、ADHD、学習障害、広汎性発達障がいといった原因設定は、「型ハメ」を目的にしているのではありません。

その先に待っている体系化された(体系化も主観だけれども)、有効な方略を実施するための第一歩なのです。