まずは「発達障害者の家事の工夫(1)」をお読みください。

2.
家事と一言で言っても、多岐にわたります。
家事全般と捉えると混乱してしまうので、それを細分化して対策していきましょう。

まずは掃除だけ。
掃除の中でも、たとえば掃除機だけ。

あるいは、台所仕事だったら、皿を洗うとか、包丁で切るとか。
そのように細分化していきます。

細分化することによって、具体的に苦手なものが見えてくるというわけです。

そうしたら、今度はスポーツとか習い事と一緒で、それができるようになるまで何か見本を見ながら真似てみます。
得意な人に見せてもらってもいいし、Youtubeなどでプロの作業を見てみるのもいいでしょう。
覚えるまで繰り返し練習をしていきましょう。

細分化して一つ一つこなしていくのはじれったいかもしれませんが、長い目で見ると、結局これが一番の近道なのです。

3.
金銭的な余裕があるなら、ある程度アウトソーシングするということも考慮しましょう。
家事をやらなきゃいけないからといって、丸抱えする必要はありません。

もちろん、家系に余裕がないのなら自分たちでやらなければいけませんが、夫婦や親子での家事分担を行うという形でもよいでしょう。

日本は主婦に家事の負担が集中する傾向があり、また、なぜか金銭的に余裕のある家庭でも母親が家事を行うことをよしとするような風潮があります。
しかし、無理して丸抱えすることはありません。
任せられるところはアウトソーシングしてしまい、自分が得意なところをやればいいのです。

たとえば、多動のADHDであれば、家事は苦手だけれど子どもと遊ぶのは得意、ということがよくあります。
なので、家事はプロに任せて自分は子育てに注力する、というのもありです。

1.ビデオカメラなどを用いたメタ認知の活用
2.細分化することで問題点を明確にして、それを習得できるまで繰り返す
3.アウトソーシングして、家事や育児の中でも自分の強みに注力する

この3つを行えば、随分楽になるはずです。

 

【発達障害とどう向き合うか】(実務教育出版)