まずは「アスペルガー人が雑談を克服するために(5)」を読んでね。

雑談に困難を極める大きな理由の一つに、相手の話しを理解できない、ということがあげられます。

不慣れな分野、難解な内容であれば当然なのですが、平均的な知能を持つ定型発達の誰もが一回で把握できることも、知能の高い型であるにもかかわらず、2回3回と聞き直し、それでも頭に入らないということが多々あるのです。

その最たる理由として、ワーキングメモリー(短期記憶、数秒から数分だけ保持される記憶)の不全に陥っていることがあげられます。

会話を理解するためには、

・今、相手が話した言語を「数秒間記憶」しておく

・記憶している言語へ新たに入力されたそれを繋げる

・意味が誕生する

・その意味を「数秒間記憶」しておく

・その意味へ新たに入力された言語を繋げる

・意味を膨らませる

・以上を繰り返す

が必要となるのですが、その過程をこなすことができません。

文字通り、相手の口頭による言語が右から左へ抜けてしまうのです。

結果、相手が何を話しているのか理解できません。(グレーゾーンだと、難解でなければ会話は理解している)

応答しようがありません。

雑談は成り立ちません。