まずは「片付けがアスペルガー人の日常を改善させる(2)」を読んでね。

そんな状態では、ただでさえ扱いづらいアスペルガーの子育ては(適切な知識と技術があれば大変ではない)、より一層の大変さが発生します。

結果が伴わないので、やがて母親は疲れ切ります。

アスペルガーの子育てにおける療育にウルトラCの技本は存在しませんが、多少の手間と感情的忍耐は欠かせません。

それを用意できなくなります。

当然のことながら、子どものアスペルガーとしての否定的症状は、改善しません。

その事態に母親は、現実と子どもの可能性に対して、深刻な諦めを持つようになります。

対話や食事が、いいかげんなものとなります。

症状は悪化します。

親子関係や学校における問題が、複雑になります。

片付けの欠如というささやかな環境因子が、アスペルガーの日常に深い影を落とします。

続く。

 


【片付けられないのはアスペルガー症候群のせいでした。 (コミックエッセイ)】( 宝島社)