アスペルガー人が、日常を楽なものとし、なおかつ才能を発揮させるには丁寧な療育が必須となります。

そこに、引き寄せ系の一発逆転の魔法の介在余地はありません。

療育の一つに、身辺の基本的な整理整頓があげられます。

これがアスペルガー人にとって大きな利益をもたらします。

・ストレス数値の軽減

・子どもの療育の成功

・才能の発見

・時間の創造

など。

まずは、「ストレス軽減」について。

アスペルガー人は、生きているだけでストレスフルな毎日を過ごしています。

たとえ何も問題がなかったとしても、それに苛まれている。

おまけに定型発達であれば反応しないようなことでも、ストレス数値を優位に跳ね上げます。

詳細は省きますが、それによりただでさせ機能不全を起こしているセロトニンシステムに、さらなる悪化をもたらします。

いよいよ、情緒不安や日中の眠気、だるさが立ち行かない状態へ陥ります。

その「ささやか」なストレス因子は多岐にわたりますが、その一つに散らかった部屋があげられます。

作りが完全に同じ部屋を2つ用意する。

前者は、物が少なく整理整頓されている。

後者は、物に溢れ散らかっている。

同じ人をそれぞれの部屋に15分づつ滞在させるたびに、血液を採取し血中ストレスを計ります。

すると、散らかった部屋を出た直後のストレス数値の方が、整頓されている部屋を抜け出た後のそれよりも有意に高いのです。

さらに興味深いことに、散らかった部屋にい続けたとしても「免疫」(医学的に正しい意味じゃないよ)がつかない。

ストレス数値は跳ね上がったままということです。

これでは、アスペルガー人のストレスフルな毎日は、極まってしまいます。

セロトニンシステムが、相当に機能しづらくなってしまいます。

片付けがしっかりと「クセ付け」されていれば、それを回避できます。

 


【片付けられないのはアスペルガー症候群のせいでした。 (コミックエッセイ)】( 宝島社)