まずは、「日本におけるアスペルガー(発達障がい)対策があまりにも遅れている理由(7)(8)マスコミと早い思考として」を読んでね。

この早い思考とマスコミによる意図しない印象操作は、発達障がい全般(特にアスペルガー)に及んでいます。

アスペルガー症候群が、日本において知られるようになった契機は、その診断が下された青年による殺人事件でした。

もちろん、この事件はアスペルガーが原因ではありません。

偶然に重なったものでありアスペルガーが犯罪に結びつくわけではない。

ただ残念ながら、その後も毎年のように同様の事件が続いてしまいました。

2001年、女子大生通り魔殺人事件

2003年、少年による幼児殺人事件

2004年、佐世保における同級生女児殺人事件

2005年、石狩市での主婦殺人事件、寝屋川市で起きた中学校教師殺人事件

いずれも加害少年が高機能広汎性発達障がい(アスペルガーも含まれる)という鑑定結果が報道されてしまいました。

それにより、早い思考の人は「アスペルガーは危険な存在である」と結論づけます。

この認識には

・定型発達者である少年犯罪率との比較

が含まれていません。

彼らとアスペルガーの統計調査に基づいて答えを導き出すことは、「遅い思考」に部類されるので「早い思考に染まっている人々」は、その発想すら思い浮かべることができないのです。

結果として、「アスペルガーは危険な存在」というレッテル貼りが出来上がってしまいます。

むしろ、アスペルガーの多くは

・怖がりで

・度胸がなく

・常識はないが

・倫理観と正義感

が強いので、犯罪率は定型発達者よりも低いにもかかわらず。

続く。

自称「世の中を良くしたい」と言っている人たちって、現状を悲惨と位置付けるのが大好き。現代は最も幸福な時代を迎えているのに。

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