まずは、「体の感覚に従ってはいけない(20)」を読んでね。

余談。

以前に、ゲーム脳の恐怖が話題となりました。

テレビゲームを行なうことにより脳が萎縮してしまう。だから、子どもにはやらせてはいけない、というものです。
それは正しさと間違いが、半々です。

意外なことですが、テレビゲームに取り組んでいるときの脳は、前頭葉を中心として、大幅な血流量の低下が起きています。
指、視覚、判断、戦略などを動員するので、一見すると脳を多領域に渡り活用しているような理解を想像しがちです。

しかし、結果は真逆なのです。

たしかに、先述の通り、大きな血流不全は、廃用性萎縮の直接的な要因となります。
そこだけを捉えれば、ゲーム脳の恐怖は正しい。
ただそれは、毎日4~5時間以上の継続が必要条件となります。

その状態ではじめて、廃用性萎縮の可能性が出てくるのです。
いくらゲーム好きであったとしても、学校に通うなどの平均的な生活を行なっていれば、長時間に渡りのめり込むことは難しい。
だから、そこまで怯えるほどの問題ではないのです。

しかし、イジメや適応障害などにより、引きこもり生活に入ってしまった人の多くは、必然的に長時間のゲームいじりに走ってしまいます。
ただでさせ、運動や記憶、外界からの様々な刺激のなさで、脳血流が落ちているところに、トドメとなるような拍車がかかります。

前頭葉は、意欲やストレス耐性を司っているので、彼から自発的な回復力は、完全に失われてしまいます。(脳の一部分だけで、人の機能を説明するのは不可能だけど、大枠の定義として)、
いよいよ、抜け出せない引きこもりが完成してしまいます。

引きこもりそのものは、僕はワルイとは思わない。
一時的な避難としては、極めて大切な行為です。

ただ、あくまでも、
・ 心身の回復
・ 自分の適応できる環境の発見と創造
・ それらの準備期間

なので、妨げる因子は、なるべく取り入れない方がいい。

この意味で、ゲーム脳の恐怖は存在します。

続く。