まずは、「体の感覚に従ってはいけない(6)(7)(10)(11)」辺りを読んでね。

では、飢餓を防止するための防衛本能に由来した代表的な体の感覚にはどういったものがあるのかを、具体的に挙げていきます。

・ 記憶することを拒む
・ 初体験を拒む
・ 運動を避ける
・ 食べ過ぎる
・ 習慣化を避ける
・ 一日中寝転がる
・ 朝が来ても起きない
・ 炭水化物と甘い物を好む
・ タンパク質を避ける
・ 野菜を避ける
・ 深く考えず、ステレオタイプで短絡的に決めつける
・ 姿勢を正すことができない
・ エアコンに依存したい
・ 働かない

(他にも多々あります。)

・ 記憶することについて。

脳は、極めて燃費のワルい器官です。
体重に対して2%程度の重さであるにもかかわらず、基礎代謝として計算するとカロリー消費量は、20%も占めています。
安静時であったとしても、1日に120g、1時間に5gものブドウ糖を消費しています。

脳の活動範囲は多義に渡りますが、カロリー消費という点だけで捉えると、「記憶する」ことは最も激しい活動に位置づけられます。

学生時代、英単語や漢字を記憶するために、ひたすら唱えながら書き続けると、終えたときには、体育の授業後よりもお腹が空いたという経験はあると思います。
記憶するために、ただでさえ大食いの脳がさらにカロリーを消費してしまったためです。

ですから、飢餓を回避するという側面の防衛本能にとっては、この記憶する、という行為は脅威以外の何者でもありません。

だから、宿主である人を積極的に遠ざけようとします。
1~2回見ただけで憶えてしまうような超人的な記憶力を持っている人以外、日常生活において、記憶を拒んでしまうのはそのためです。

防衛本能が、宿主を餓死させないために不快という信号を発信して、守っているのです。

では、その防衛本能の思い遣り(?)に従って、記憶するという行為を放棄してしまっていいのでしょうか。

とんでもありません。

2つの根源的な問題に曝されることになります。

続く。