まずは「終身雇用を破壊せよ(23) 大学崩壊の温床」を読んでね。

企業は、大手を中心に終身雇用が前提なので、新卒を長期で育てる必要と余裕(?)があります。(ずいぶん変わってきたけどね。)

莫大な時間と人件費をかけるのだから、自社に則した人材にしなければ損以外の何者でもありません。

だから、学生時代に「我流の色」を身につけてもらっては困る。

勉強は、最低限でいいのです。

そうはいっても、ただ真っ白な状態の彼らを採ればいいというのではありません。

学習能力の高さは、持っていてもらわなければならない。(それと、嫌なことでも優先順位を上に上げて、取り組み続けられる能力)

その基準の主役になっているのが、偏差値の分かる学校名付きの卒業証書なのです。

ゆえに、終身雇用が強固な大手ほど学歴が大切になります。

偏差値が実質的に機能するのは、大学入学まで。

大学講師も、学生へ熱心に教えるのは大変なので、自分にとっての必要性を覚えなければどこまでも手を抜いてしまいます。

必然的に学力の向上は求められない環境が、でき上がるのです。

以上を踏まえれば、終身雇用が無能な教授、不勉強な大学生を作る直接的主要因ということが理解できます。

しかし、何十年も前から議論されている陳腐な大学改革論に、その弊害は上がってこない。(最近、上がってきているみたい)

それどころか、雇用制度問題においては、解雇規制を強化しようとします。

挙げ句は、「最近の若者はだらしないから」という、どうにも手を付けられない「意識論」を展開する始末です。

ソクラテスの時代から「最近の若者」批判が存在するのだから、絶望的な問題設定としか言いようがありません。

僕には、終身雇用の何がいいのか、皆目理解できない。